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「高貴なテロワール」と名付けられた特別なACブルゴーニュですが、リケールが所有する畑の中でも特に固有のテロワールを持つ畑から、最も品質の良いヴィエイユ・ヴィーニュのシャルドネのみを選んで造られます。自らの畑からのスペシャルセレクションということもあり、ドメーヌアイテムとなる緑ラベルになっています。
一般的なACブルゴーニュとは一線を画す突き抜けた個性(主張と表現)を兼ね備えた、明確な意志を感じる世界観を有しています。受ける印象としてはジュラ的でもあり、一言で言うならば「酸化熟成の美」を追求したスタイルだとも言えます。
その個性を形成する最大の特徴は、樽を使った酸化熟成風味に集約されますが、古ぼけたような独特の風味を有しつつも、不思議な程瑞々しく艶やかで、その姿にある種の美すら感じられることに驚きます。たとえ酸化熟成風味が苦手な人であっても、大なり小なりこの美点は享受出来ると思うので、よりニュートラルなスタンスで前向きに向き合ってもらいたいところです。
どことなく、シャンパーニュの偉大な生産者「ジャック・セロス」を彷彿とさせるようでもあり、独自のスタンスで高い完成度と世界観を目指すという方向性は、現代においてはなおさら鮮明に輝く傾向にあるので(好みはハッキリ別れるかもしれませんが)、もし市場で見かけることがあれば1度は試してみてもらいたいところです。
(2014/05)