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オーナーのジム・クレンデネンの愛娘「イザベル」の名を冠したトップキュヴェがこのアイテム。他にも息子「ノックス」の名を冠したアイテムも存在します。
直前に試飲したノックスはやや訴求力不足が露呈する結果になりましたが、イザベルに関してはそのポテンシャルと兼ね備えた魅力の両方を遺憾なく発揮してくれたので、まずは一安心といったところです。体躯そのものは程よく引き締まり、その内部に充実した熟度のある果実味と旨味が渾然一体となって魅力ある資質を形成しています。また、表層にかけてオレンジピールを感じる酸と収斂したタンニンが漂い、結果としてこれがちょうど良いアクセントにもなっています。
表情は明確に出来上がっているものの、各要素間はそれほど融和しているわけではありません。しかし、不思議とバランスはとれ、そこからかなり高いレベルで魅力ある表情が生み出されていきます。また、オー・ボン・クリマ節とも言える甘旨味はどこかDRCを彷彿とさせるほどでもあり(資質はやや異なりますが)、構成力や完成度よりも潜在的観点から沸き立つ魅力(ある意味カリフォルニアらしいエネルギー)で世界間を大きく引っ張っていることもあって、その訴求力はかなりのレベルに到達しています。特に抜栓翌日になると奇麗に昇華し、柑橘系の果皮要素と果実感が相まって更なる魅力へと繋がるので、出来れば抜栓後に少し時間を与えてやり、端的な要素をうまくコントロールしてしっかりとその美点を引き出してもらいたいところです。
(2014/03)