- Good Quality -
2012年はリッポンにとって非常に重要な年となりました。一族がこのワナカの地に根を下ろしてちょうど100年、そして最初の植樹からちょうど30年、さらにワインメーカーのニック・ミルズがフランスから戻ってちょうど10年と、様々な出来事の節目となる記念すべき年となっています。そのため、ラベルの右上には「100/30」の刻印が成されています。
リッポンにおけるフラッグシップシリーズとも言えるのがこの「リッポン マチュア・ヴァイン」。若木で造られるジュネスとは指向性が異なり、ぽってりとしたボリューム感ある体躯と程よい重量感が印象的です。豊富な酸を含有していますが、立ちのぼるような指向性ではなく、重くドシッとした酸ということもあり、鋭角なタイプの酸となるジュネスとは明らかに表情が異なります。
全体像としては適度に纏まり、エネルギーそのものも十分なものを含有していますが、余韻がやや弱く、アタックにそのエネルギーが集まっている傾向にあるのがやや気になるところではあります。また、相対的にやや高めのアルコール(12.5%)ということもあるので、グラスが進むごとにやや飲み疲れが生じるかもしれません。とはいえ、現状ではうまく各ピースがハマりきっていないだけで、兼ね備えたポテンシャルそのものは十分なものがあるので、本質的にはしっかりとお薦め出来る良質なリースリングだと言えます。
(2014/02)