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プリオラートを代表するワイン「レルミタ」に対するセカンド的なポジションに位置するのが「フィンカ・ドフィ」です。セパージュは、ガルナッチャ55%、カベルネ・ソーヴィニヨン45%(極少量ですがシラーとメルローもブレンドされているようです)。
以前よりも醸造技術に力点が置かれている傾向にあり、最も顕著なのがMLFをしっかり行ったことによるまろやかな指向性にあります。酸の弱さと仄かなヨーグルト系の風味が漂い、やや安易で単調な表情が色濃く出ていますが、その表層の奥には十分なエネルギーを兼ね備えた葡萄のポテンシャルが感じられるので、全体像を俯瞰した場合は概ねポジティブな印象を受けると思います。
野生の果実味がもたらす個性やキュートさ、そしてそこから発せられる熟した果実のエネルギーがひとつの魅力を構築し、対峙する力強いタンニンと高アルコールとが双璧となって十分な世界観を構築しています。表情がややシンプルな傾向にありますが、翌日に持ち越すと一体感が増し、同種のMLF系モダンワインと同様に葡萄本来の良さやエネルギーが明確化する傾向にあるので、フィンカ・ドフィの良さは十分伝わると思います(欲を言えば、もう少し手頃な価格帯だと良いのですが)。
(2014/01)