- Good Quality -
カスティリオーネ・ファッレットを代表する偉大な生産者「カヴァロット」。五世代に渡り、長期熟成スタイルの伝統的なバローロを生産する彼らが単独所有することで有名なモノポール「ブリッコ・ボスキス」の中で、最良の区画と称される「サン・ジュゼッペ」に植えられた古木(1932年、45年、66年に植樹)で造られる特別なバローロとなっています。
伝統的なスタイルなので派手さがあるわけではなく、ボリュームや迫力といったコアエネルギーが伝わるような系譜にもありませんが、いたって質実かつ実直で、真っ当に造られた良質かつ本物のバローロ像 を遺憾なく具現化したような傾向にあります。
体躯ボリュームは控えめで重量感も控えめですが、リゼルヴァらしい仄苦さがあり、豊富なグリセリンを含有しているかのような粘度や、イタリアワインらしい素直で明確な酸が感じられ、飲んでいるだけで落ち着くような、安心して飲めるバローロといった印象です。果実の凝縮感もありますが、しっかりとした密度でありながらも感じる色感は淡く、どこか菫のような雰囲気を醸し出しています。
長熟系とはいえ、既に10年経過しているので現状でも楽しむ事は可能です。今後も成長を続けるという意味での長熟というよりも、純粋に寿命が長いという指向性なので、おそらく、どの段階で飲んでもその本質は十分堪能出来ると思います。クリュ・バローロの表現と可能性を実感するにはちょうど良いアイテムだとも言えるので、価格的なハードルをクリア出来るようであれば、試してみてもらいたいところではあります。
(2014/01)