- Good Quality -
ミルズ・ヴィンヤードの広さは15.4エーカーで、ピノ・ノワールの植樹は他のクリュよりやや新しく1984年となっています(1998年に1エーカーを追加で植樹)。1987年~2006年までの20年間の平均収穫量は1.39トン/エーカー(20.9hl/ha)と低収量で、2006年ヴィンテージはフルボトル換算で1,795ケースが生産されています。
そこはかとなく熟成感が出始めていますが、熟度と旨味が詰まった果実味は健在で、ある種不思議なバランス感となっています。抜栓直後はややちぐはぐな傾向にありますが、翌日に持ち越すとかなり落ち着き、カレラらしい果実味が主体となった良質な表情を垣間見せてくれます。
気になるのは「体躯の緩さ」で、想像よりも進んだ熟成感と重なって、独特の儚さと脆さとを内包した世界観へと昇華していきます。もしかするとあまり奇麗な熟成曲線を描いていないのかもしれませんが(ハズレボトル?)、果実味そのものは生き生きとしているので、しっかりと時間を与えてやれば本質的エネルギー由来の生命力を感じる事が出来ます。
(2013/12)