- Good Quality -
「ここ」「あそこ」という意味の「Ici/La-Bas」。「サンタ・バーバラの怪人」との異名を持つオー・ボン・クリマの「ジム・クレンデネン」と、フランス最高峰の樽製造メーカー「フランソワ・フレール」によるジョイント・ベンチャーになっています。
エルク・ヴィンヤードは、カリフォルニアのノース・コーストに位置するメンドシーノ・カウンティに属するアンダーソン・ヴァレー内にあり、冷涼な産地としてジムから「パーフェクト」と称されています。
オー・ボン・クリマ的な旨味を伴う果実味も感じられますが、それ以上に印象的なのが樽要素が加味された苦みとしっかりとした体躯感覚(まさにフランソワ・フレールとのジョイント・ベンチャーといった印象)。同じイシ・ラバのシャルドネとは違い、特に若々しさは感じられませんが、各要素にあまり一体感を感じないのは同等かもしれません。純粋な点数評価としてはそれほど伸びない印象ではありますが、その反面、不思議な浸透性や求心力に富み、ふと気がつくとグラスが進んでいる傾向にあります。料理とともに美味しく飲める、満足感あるワインとして、一定の魅力を兼ね備えているのは事実なので、価格帯が許容出来るようであれば十分お薦め出来そうです。
(2013/11)