- Good Quality -
100点を獲得する程の圧倒的クオリティを誇る「ル・ドーム」のセカンドラベルがこの「シャトー・ラフォルジュ」です。基本的にはル・ドームと同じ古木から造られますが、カベルネ・フランの比率が高いル・ドームとは異なり、ラフォルジュに関してはメルローの比率が高くなっています。
メルローらしい角の柔らかさと、技術革新によるサン・テミリオンらしい緻密さと精緻さ、そして葡萄の熟度が印象的ですが、現時点では樽要素がやや勝る傾向にあり、全体的に苦みが先行する傾向にあります。現代的な造りなので今からでも楽しめますが、表情としては一体感に欠ける傾向にあり、この基本的指向性は抜栓後時間が経過してもそう大きく変化する事はありません。
苦みや渋み、そして高いアルコールが主体となっていますが、特に距離感を感じるような事はなく、なによりメルローらしい豊かさと丸みがベースにあるので、その飲み口は思いのほかスムーズです。熟成によってどこまで昇華するかは未知数ですが、素性そのものはいたって良質なので、著名ワイン誌による高評価に対して過剰反応さえしなければ、それ相応の満足感は得られると思います。
(2013/11)