- Good Quality -
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの歴史を語るのに欠かせない存在なのが「ビオンディ・サンティ」。粒が大きく凝縮したクローン「サンジョヴェーゼ・グロッソ」の発見と、そのクローンを用いて1888年に初めてブルネッロを世に送り出すなど、その優れた資質と品格はまさに王道と言える存在感となっています。そんなビオンディ・サンティが生み出す、プチ・ブルネッロともいえる存在なのがこの「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」。
伝統的な指向性を感じる、大樽酸化熟成系の古びた風味は感じますが、と同時に、現代的水準に位置する体躯の充実感やピュアな果実感もあり、新旧渾然一体といった、ある種独特の表情を兼ね備えています。抜栓直後の一杯目はややネガティブな指向性も感じますが、5〜10分程度で程よく昇華しはじめ、時間の経過とともに良質な要素がよりよく感じられるようになります。翌日に持ち越すと、やや軟質な指向性へと推移しますが、王道的な良質さは健在で、なにより一般的なロッソクラスを超える充実した酒質が印象的なので、ブルネッロは高過ぎて手が出ないという人にとってはちょうど良い選択肢になりそうです。
(2013/06)