- Good Quality -
ヴァンサン・デュルイユのリュリーとしては、村名も含めて最も酸が控えめな傾向にあり、相対的に果実味と柔らかい酒質が主体になっているように感じられます。仄かに古樽系の風味が漂い(時間が経つと消える)、そこから来るタンニンのほろ苦さ、そして緑系のハーブ風味がどことなく感じられることなど、どこか他のヴァンサン・デュルイユのアイテムとは指向性が異なる印象を受けます。
控えめな酸の影響もあり、全体を通して優しく柔らかい印象を受けるため、ベースとして欲しい「張り」や「緊張感」に欠ける傾向にあります。とはいえ、一定レベルの良質さは兼ね備えており、当然のごとく美味しく飲めることに違いはないので、他のクリマとの比較をしなければ十分楽しめると思います。
(2013/05)