- Good Quality -
かなり分かりやすい「現代的醸造スタイル(技術的な人ありきのスタイル)」のワインで、熟成を経ずとも早い段階から、そして抜栓直後の状態でも、すぐに幅広い層に訴求するような指向性をベースとして組み上げられている傾向にあります。
樹齢80〜100年というテンプラニーリョによる葡萄の濃縮感、そこに口当たりを重視するような柔らかさや乳酸っぽさ、そしてボジョレー的なキュートな赤系果実など、非常に明確な表情が構築されています。良くも悪くもかなりハッキリとしたスタンスで、こういった技術的な要素が色濃く反映されているワインに散見される「数日経過させた方が安易さが抜けて表情が良くなる」という資質もしっかり踏襲されています。
何を持って良しとするかは人それぞれ異なると思いますが、いたって価格も手頃なので、ひとまずデイリーとして気軽に飲むには一定レンジの水準はクリアしてくれると思います。和食に合うようなタイプではないので毎日飲むにはややツライ側面もありますが、時間をかけた方がより良い表情になることからして、あまり深く考えずに気長に向き合うというのがひとつのポイントになりそうです。
(2012/12)