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フランチャコルタの生産者として非常に有名な「ベッラヴィスタ」が、トスカーナのスヴェレートで始めたワイナリーがこの「ペトラ」。ワインメーカーを担当しているのは、ベッラヴィスタのオーナー「ヴィットリオ・モレッティ」の娘「フランチェスカ・モレッティ」。メルロー100%で造られるこの「クエルチェゴッベ」は、ティエリア海に面する丘の中腹にある畑の名前が由来となっています。植樹は1997年。ポムロールに似た土壌ということもあり、メルローに適した理想的な立地となっています。
まさにイタリアが放つメルローの魅力の具現化といった内容で、豊満で優しい体躯の中にミッチリと要素が詰まり、胡椒や海苔のようなハーブの風味と果実の甘味、そしてそれらを裏支えする強固なタンニン、それらの要素が渾然一体となり世界観を構築しています。確かに圧倒的な世界観とまではいかず、表面上にあるその優しい物腰故に個性や主張がやや控えめな印象でもありますが、内容の充実感は十分で、逆にいうと、更に後一歩進めば素晴らしい世界が広がる期待にも繋がるので、現在の価格帯を考えると非常に有用性のあるアイテムだと言えそうです。
ペトラを象徴する超近代的な美しいワイナリーや、明確なコンセプトを持つモダンなラベルデザイン等、方向性がハッキリしているだけに多少飲み手を選ぶ傾向にあるかもしれませんが(情報や見た目のイメージでやや敬遠しがち?)、本家のフランチャコルタと同様に、良質で安心出来るこだわりある造りになっているのは確かなので、トップキュヴェの「ペトラ」、カベルネ・ソーヴィニヨンで造られる「ポテンティ」、サンジョヴェーゼで造られる「アルト」など、より幅広いアイテムを試してみたいところです。
(2012/10)