- Good Quality -
久しぶりのヴァージン・シャルドネとなりますが、今回の2011年からボトルの形状がボルドータイプからブルゴーニュタイプに変更され、ラベルも特徴的だった「ブーツ」の絵柄から、白地に造り手の名前をあしらったシンプルなデザインへと変更されています。中身に関しても、比較的スタイルに変更があったように感じられますが、それでもヴァージン・シャルドネらしい良さというのはしっかり息づいていると思います。
日本酒的な雰囲気を感じる高アルコール系の厳しさや鋭さに、オーストラリアらしい豊かな果実が程よく溶け合った明快な表情となっていますが、現状では抜栓30分程度で奇麗に開いて心地良い甘味が主体となるものの、更に時間を与えて翌日に持ち越すと、今度はアルコール系の鋭さが主体となる傾向にあります。とはいえ、全体像としては概ねバランスがとれているので、どの時点であってもしっかり楽しめるだけの世界観は構築されていると言えそうです。
従来印象的だった柑橘系の心地良い風味が特に感じられなくなり、どちらかというと体躯コアそのもののパワーに力点のバイアスが移っている印象だったりもしますが、総じて安定した良さを持っているのは確かなので、日常で飲める価格帯のワインとしては十分なクオリティを持っていると思います。飲み手の嗜好によってそれぞれ判断は異なるかもしれませんが、個人的には時流に合わせたポジティブな変更と受け取りたいところです。
(2012/07)