- Good Quality -
コート・ロティにあるコート・ブロンドで栽培された若木(樹齢5〜20年)のシラーが主体となり、補助品種として白葡萄のヴィオニエがブレンドされます。ちなみにセパージュ比率はシラー92%、ヴィオニエ8%。
自然な造りが成されたワインらしく、佇まいは奇麗で表情にもたおやかさがあり、梅的な風味やしっかりとした旨味が感じられるので、非常に心地良く飲み進めることが出来ます。抜栓直後は多少還元的で、特別ネガティブではないものの僅かに自然派的風味も感じられますが(翌日〜翌々日ぐらいに持ち越せば随分軽減される)、全体のバランス感はいたって良好で、コアに込められた旨味とエレガントな酒質のマッチングが小気味よい魅力を放っているので、受ける印象は総じてポジティブなものとなっています(少しパカレ的な雰囲気も?)。
流麗さや大人しく佇む姿をより好む人であれば、相対的により高い満足感が得られるかもしれませんが、最大のネックはやはり「価格」で、ガングロフという造り手に対する想いが相当強くない限り、なかなか「1万円」という対価は出せないかもしれません。しかし、自然派ならではの揺らぎは多少あれど、本質的なクオリティそのものは十分納得いくレベルにあるので、もし機会があればより積極的になって試してもらいたいところです。
(2012/02)