- Good Quality -
2009年のロンスヴィには期待をしていたのですが、果実そのものの魅力は感じるものの、全体を通じてどこかちぐはぐな印象を受けます。抜栓当初は、ヴィンテージの力を感じる赤系果実のキュートな魅力や仄かな旨味が主体となってその表情を構成しているものの、体躯中央部の柔らかさや密度感のなさ(やけに水っぽい)、そして流麗ながらもサラリとしすぎる質感など、随所で気になる部分が垣間みられます。翌日に持ち越すと、意外にも一気に果実味が抜け落ち、風味の薄さや水臭さが気になる妙な世界観へと変貌してしまいました。
素性自体は悪くないものの、完全なハズレボトルに当たったのか、もしくは醸造過程でなんらかの失敗を犯してしまったのか、最も重要なコアが完全に抜け落ちているような印象があります(まさに抜け殻)。とはいえ、自然な造りのワインにたまにみられる「短期間での急激な劣化/味の抜け落ち」に似た状態のような気もするので、今回の1本だけで全てを判断するのはやや危険なのかもしれません。
(2012/02)