- Good Quality -
ある意味、カロン・セギュールらしい硬いタンニンがベースとなったトラディショナルなスタイルで、基本的には長期熟成を経てから飲むべきワインと言えそうです。
植物を思わせるような緑系の風味がやや気になるところで、タンニン主体で果実味は奥に控えている傾向にありますが、比較的軽快な重量感やこぢんまりとしながらもすっきりと纏まっている点など、全体像としては思いのほか好印象だったりします(バランスを重視した場合は1996年よりも印象が良いかも?)。
点数など、目に見える評価としてはやや伸び悩むかもしれませんが、ゆとりある姿勢でじっくりと向き合い、タンニンが織り成すピースを噛み締めながら時間をかけて堪能していけば、最終的にはかなりの満足感が得られると思います。決して単体で存分に楽しめる程のポテンシャルはありませんが、料理とともに嗜めば、カロンの持つ本質は存分に昇華してくれるので、本質にあるその価値はしっかり堪能できると思います。
問題になるとすればやはり「価格」で、これが現在の半額程度だったリリース時であれば、まさにケース買い推奨の非常にお買い得感あるカロン・セギュールだと言えそうですが、さすがに1万円を超えるとなるとそう気軽には購入できないので、飲み頃までに時間がかかるというカロン特有のスタイル、そしてそれに付随する様々なリスクを鑑みると、現在の価格帯というのは良くも悪くも非常に悩ましいところではあります。
(2011/12)