- Good Quality -
東南にはサン・ジュスト・ア・レンテンナーノ、東にはフェルシナと、好条件の立地にある畑をもとに、サンジョヴェーゼ85%、メルロー15%というブレンドで造られるこの「アル・パッソ」。ミシェル・ロランが絡んでるということもあってか、いたって現代的であり、想像以上にメルローらしい表情が組み込まれている傾向にあります。
基本素性はサンジョヴェーゼを踏襲していますが、現代的ワインの指向性を存分に取り入れた世界観なのが印象的で、若くして抜栓直後から飲めるような仕立てが全体を通じて行われています(とはいえ基本的にはポテンシャル資質)。タンニンは軽快であるもののドライで収斂しており、抜栓日はやや口中の軋みが気になるところではありますが、乳酸っぽさやメルローらしい豊満さのおかげもあってか、全体的なバランス(口当たりや飲みやすさ)は比較的うまくとれています。
数日経過させると本来のサンジョヴェーゼ気質が主となる傾向にありますが、抜栓後すぐ飲んだ場合は国際市場向けスタイルの方が色濃いので、このあたりは使用するグラスなども含めて、多少サーブを考慮した方がより良い結果が得られそうです。
(2011/12)