- Good Quality -
造り手の「アルタス」は、1996年にリオハのトップワイナリーでもある「アルタディ」が、ナバラ地方の伝統品種であるガルナッチャの可能性を追求するために始めたワイナリー。
以前のイメージとはかなり異なるスタイルで、ギラツくほどではないものの彩度が高く、乳酸系の際立つ丸さが印象的な、ある種今風のテクニカルなワインへと変貌しています。しっかりとした安定感はあるものの、いたって軽快で「今すぐ飲める」仕立てになっている傾向にあり、以前のような純粋な葡萄力が感じられなくなっているのがやや残念なところです。とはいえ、3日〜1週間程度放置しておくと、その間に無駄な力がそげ落ち、そのコアにある本質的な良さが表に出てくるので、そこまでしっかりと向き合えばそう悪いワインではないということは理解できると思います。その頃になると、当初の乳酸っぽさはなくなるものの、それでもなお軽くキリリとした酸が主体となっている点や、充実感はなくても外郭はしっかりしていることなど、おそらく手持ちのコマ(葡萄や醸造技術)を駆使し、出来るだけ多くの人に楽しんでもらえる方向を模索した結果のスタイル…といった印象でもあるので、基本的にはポジティブに受け止めたいところです。
(2011/11)