- Good Quality -
サンジョヴェーゼを主体としながらも(80%)、残りの20%はチリエジョーロやカナイオーロなどの複数の葡萄がブレンドされます。ラベルにはマエストロの顔がプリントされていますが、ボトルによってプリントされているマエストロが異なるので(全部で6種類?)、同じリナシメントでもラベルデザインが微妙に異なる複数のバージョンが存在しています。
その表情はやはりサンジョヴェーゼが主体となっており、セパージュらしい酸味が明確に感じられますが、思った以上にタンニンが豊富で酒質も強く、細身でしなやかではあるものの、そこに内包された意思にはかなり強固なものが感じられます。渋みはやや強めですが、含んだタンニンは微細に砕かれ、マルチセパージュによる多様なハーブ風味とシルキーな表層のおかげもあって、今からでも無理なく飲み進めることが出来ます(とはいえ数時間〜翌日ぐらいの時間を与えた方がベター)。
価格帯としては同じディエヴォレが手掛けるキャンティの「ディエヴォリーノ」よりもやや上といった傾向にありますが、実際には上のレンジのワインというよりも、より丁寧に細部にまで意識を巡らせて造ったワインといった印象なので、優劣ではなくある種の指向性の違いとして捉えることも十分可能だと思います。
(2011/10)