- Good Quality -
まさに「コルトン・シャルルマーニュの生みの親」として知られる「ルイ・ラトゥール」の同銘柄ですが、名高いグラン・クリュとはいえ2001年という平均的な出来のヴィンテージで、なおかつ10年という熟成を経た状態がどうなってるかが非常に気になるところではあります。ブルゴーニュを代表するグラン・クリュなだけに、使用するグラスや温度帯なども含めて、サーブにはある程度注意を払いたいところです。
状態としては、特別若さや硬さを感じるようなことはなく、かといって熟成による熟れた表情を感じることもない、不思議な中庸さを持った佇まいが感じられ、ある意味ピーク付近に位置する無理のない状態だといえそうです。シトラス系の風味と樽系の風味が一体化し、優しく仄かな表情を醸し出していますが、フワッとした柔らかい表層の内部にはしっかりとしたミネラルがあり、味覚ではそこまで感じないものの、14%という高いアルコールがジワジワとボディに蓄積してくるので、物腰の柔らかさに反して込められた意思には相当強いものを感じます。
特別主張をするようなタイプではなく、複雑さも特に兼ね備えていないので、特別な日に開けたい1本というよりも、より日常で感じ嗜みたい世界観だったりします。中心核から感じられる栄光と、脆く崩れかかったエッジにおけるディテールなど、思った以上に歴史や変遷を感じる内容ではありますが、しかし、そこはやはりコルトン・シャルルマーニュ。モンラッシェ系の大振りなグラスでじっくり向き合うと、表面上からは伺い知れない資質、そして下のレンジのワイン達にはない明確な意志やスタンスが儚さの中にも見て取れるので、全体像を捉えた場合はとてもよく構築された世界だというのが理解できると思います。
(2011/09)