- Good Quality -
設立が1994年と歴史は浅いのですが、以前はベガ・シシリアに葡萄を売っており、設立と同時にピングスでお馴染みのピーター・シセックをコンサルタントに任命するなど、非常に良質なワインをコンスタントに生み出しています。より上位の「ネブロ」と比較すると、この「フィンカ・ビリャクレセス」は比較的導入しやすいラインに位置しています。
ヴィンテージの影響なのか、2004年とは根本的な指向性やスタイルが異なる傾向にあり、相対的にカベルネ系の資質が色濃く反映され、全体像としてはやや細身(ある種サンジョヴェーゼっぽい体躯感かも?)で重量感もやや軽めとなっています。ビリャクレセスらしいしっかりとした造りではあるものの、どちらかというとサラリとした立ち振る舞いで、果実感や体躯内部の充足感がやや控えめな傾向にあります。しかし、それでも表層から伺える「味覚で感じる美味しさ」というのは2004年とそう大きな差はなく、単体で飲んだ場合は素直に楽しめる良質な造りとなっているので、この2005年も安心して選択してすることができそうです。ただし、テイスティング的な観点で挑んだ場合、2004年の持つ充実感の前に多少影が薄くなる傾向にあるので、あくまでも同列に比較するのではなく、しっかりと個の持つ魅力や美点を尊重するよう意識したいところです(酸味の資質の差が興味深いかも?)。
(2011/06)