- Good Quality -
40~60年という高樹齢のテンプラニーリョを使用し、フレンチオーク(新樽比率40%)で12~14ヵ月間熟成されます。
完熟葡萄の凝縮した甘さを得ながらも、軽快でスッキリした飲み口はキッチリ維持するという、最近多く見られる指向性がアルタディらしい良質な手腕によって構築されています。多くの人に訴求しそうな明快さを持った濃さを持ちながらも、日常でも飲める手軽さを兼ね備えている点は明確に評価できるポイントだと思うので、テンプラニーリョが苦手でなければ幅広く満足してもらえそうな世界観だともいえます。
MLF系の丸さは感じられますが、乳っぽさは思いのほか控えめなので、早くから飲めるスタイルといっても無理をしたような素振りは特にありません(このあたりのさじ加減はさすがアルタディ?)。タンニンはしっかりあり、ヒリヒリするようなスパイシーさも伴っているので、果実だけに頼ったようなタイプとはひと味違った趣があります。味覚で楽しむ範囲としては、確かに点数評価が得られそうな系譜にあるので、市場で高い評価を得ていても特に驚くことはありませんが、そうは言っても価格帯を大きく超えるような真なるポテンシャルを誇るようなタイプではないので(方向性としては造り手としての技術力が感じられるワイン)、過剰に期待することだけは避けた方が無難です。
(2011/04)