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この年がファーストヴィンテージとなる、愛娘の名を冠した「キュヴェ・マエリ」。同じヴィンテージということもあってか、ロドルフ・ドゥモジョのオート・コート・ド・ボーヌと基本的な資質が似ていて、軽快で細くカチッとした体躯に、酸を主体とした甘酸っぱさが印象的なスタイルになっています。とはいえ、こちらはよりたおやかで優しく、瑞々しさも相まってとても滑らかに体に染入ってくるので、表面的に感じる味覚以上にどんどんグラスが進みます。
小粒ながらも心地良い旨味が感じられ、全体を通じて自然な立ち振る舞いから来る良質な素性が魅力となって伝わってきます。分かりやすい美味しさを持つタイプではないので、絶対的なお薦め度はそれほど高くはありませんが、様々な要素を鑑みた上での相対的なお薦め度は思いのほか高いようにも感じられるので、2008年というヴィンテージのスタイルやジャン・タルディらしい造りの良さを感じながらも前向きに楽しみたい、という場合にちょうど良い選択肢になりそうです。
(2011/04)