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2007年というヴィンテージのスタイルも影響していると思いますが、同じドミニク・コルナンのプイィ・フュイッセと比較すると、体躯ボリュームは控えめながら、より酸とミネラルが生きた明確なスタイルで、全体的なトーンもマコネらしい心地良いものとなっています。硬質感がありやや苦みも感じられますが、その裏にはしっかりとした果実の甘味があり(相対的に隠れ気味ではある)、翌日以降に持ち越せばより良い表情へと昇華してくれる傾向にあったので、兼ね備えた力量としては十分なものがあると言えそうです。
基本姿勢としては、コアにある仄かな古風さと表面上の纏まり感ある現代さの折衷といった感があり、このあたりはプイィ・フュイッセと共通するものがあるので、造り手であるドミニク・コルナンとしての方向性は十分見出せていると思います。後はこの延長線上において細部の仕上げを行っていけば、より高いレベルで世界観と個性を表現できるようになるのではないでしょうか。実際の価格帯にもよりますが、もし2千円を切るようであれば、そのお買い得感はかなり高いものになりそうです。
(2011/03)