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一般的にジュラといえば、「ヴァン・ジョーヌ(黄色ワイン)」と呼ばれるシェリーに似タイプのワインが有名ですが、このコート・デュ・ジュラはラベルに「シャルドネ」と記述されていることからもわかるように、特殊なタイプではなくごく一般的な辛口白ワインとなっています。ちなみに、リケール自身の手で造られるアイテムということもあって、ラベルやキャップシールは緑になっています(買い葡萄は茶色ラベル)。
奇をてらうことのない、リケールらしいクリーンで素直な表情がベースになっていますが、これまでに飲んだリケールの他のワインとは違い、まさに「シャルドネ」と思わせる豊かでトロミある体躯が適度に感じられ、品種基準で選択した人であっても大いに納得出来る世界観になっています。ナッツ系の風味が仄かに漂い、シャルドネらしい豊満さがストレートに堪能できますが、主体となっているのはあくまでもスッキリとした酸味の表情で、なおかつその裏ではしっかりとした果実の甘味が支えてくれています。
マイナーな産地ということもあってか、その価格はいたって手頃なものになっていますが、万人に理解してもらえそうな実直な良質さと、無理のないスタンスから来る心地良さと美味しさがうまく構築されているので、世間からの明確な評価を得るだけの水準は十分クリアしているように感じられます。リケールが手掛ける他の茶色ラベルとはさすがに充実度が異なる印象なので、相対的にもこの1本のお買い得感が際立っているように感じられます。
(2011/02)