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この「ヌーマ」は通常のシャトー・ギオーとは違い、フロリダ生まれのアメリカ人「ロバート・ボビー・カッチャー」によるセレクションワインとなっています。ギオーのオーナー家族への感謝の意を込めた特別な1本で、樹齢50年を超える古木のシラーを使用して造られます。
スパイシーでヒリヒリするような強固なタンニンがあり、渋苦系の強い酒質を持っていますが、重量感そのものは思いのほか軽快で、スッキリとしたスマートな立ち振る舞いと、熟した果実とタンニンが相まった程よいトロミのある甘さがコアにあるため、同時に心地良い飲み口を持っているとも言えます。
抜栓日は緑系のハーブ風味がやや強く、翌日に持ち越してボトルの底の方になってくると、今度は強靭なタンニン系のパワーが打ち出される傾向にありますが、いずれにしても佇まい自体はドライ(コアの甘味のために程よい瑞々しさはある)かつクールなので、一貫してスルリとした飲みやすさは維持されたままとなっています(ヴィンテージの特徴が良いように作用しているのかも?)。
南仏というよりはボルドーに近い雰囲気があり、かなり質実な世界観を披露してくれますが、各要素のエネルギーがしっかり感じられるタイプということもあるので、基本的には正面から受け止めることが出来る「ワインを飲み慣れている人向け」だと言えそうです。
(2011/01)