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パカレのラインアップの中で、最もコストパフォーマンスが高いアイテムと言えるのが、この村名ポマールかもしれません。
ジュヴレ・シャンベルタンと同様に2005年というヴィンテージの恩恵をしっかり受けた仕上がりになっています。両者の相対関係は過去のヴィンテージとほぼ同じ印象で、このポマールはより低重心で重厚感があり、その厚みとパワー感によって漬物汁風味があまり目立たなくなっています(うまく隠れてくれている)。解像度は通常レベルですが、その重厚さから来る安定感はジュヴレ・シャンベルタンにはない指向性で、抜栓後数日経過してもびくともしないこともあってか、思いのほか扱いやすい印象があります。
溢れ出る魅力に秀でるジュヴレ・シャンベルタンに対し、ポマールは資質やエネルギー感に勝る傾向にあるので、純粋な評価としてはこちらにやや分があるかもしれません。一般層に対してもこちらのほうが素直に訴求しやすいと思うので、「2005年のパカレを1本だけ選びたい(失敗したくない)」という場合はポマールを選ぶのが無難だと思います。ただし、表層の複雑さを期待できるようなタイプではないので注意も必要です。ピンポイントで突き抜けるような要素がないのが長所でもあり短所でもあるので(どこをとっても安定して平均以上に良い系?)、記憶に残るような1本を探している場合はより上のレンジを視野に入れた方が良さそうです。
(2010/11)