- Good Quality -
サンジョヴェーゼで造られるチンボロですが、想像以上に重量感やパワフルさが感じられ、サンジョヴェーゼらしい細身の体躯にキッチリと要素が詰め込まれている印象です。微細ながらタンニンは豊富で、カベルネ系のような堅牢感も感じられますが、サンジョヴェーゼらしい心地良い酸が感じられる端正な佇まいが基調となっているので、トスカーナ系サンジョヴェーゼとはまたひと味違った表情が楽しめると思います。
パワーを感じるサンジョヴェーゼというのも久しぶりだったりしますが、現代的な嗜好に適合させるようなスタイルということもあり、MLF系の丸みや乳っぽさが多少感じられます(特に抜栓後二日目)。基本的にはハイクオリティ系の印象が強くなっていますが、ピンポイントでひたすら傾倒するようなタイプではないので、サンジョヴェーゼベースのワインが好きな人であれば非常に高い満足感が得られると思います。難点を挙げるとすれば、苦みがやや強くアルコールが高め(14.5%)というあたりでしょうか。今から楽しめ、なおかつポテンシャルも十分伝わってきますが、全体的なバランスとしてはまだこれからといった感じもするので、とりあえず数年程度待ってみても面白いかもしれません。
(2010/10)