- Good Quality -
セパージュはモナストレル40%、テンプラニーリョ40%、カペルネ・ソーヴィニヨン20%。今回が10ヴィンテージぶりの試飲となった「カルチェロ」ですが、見た目も中身も、もはや別物といっていい程の進化を遂げていました。
以前はやや垢抜けないデザインだったラベルも、今では「キャップシール(白黒のボーダー)」「コルク(珍しい白の合成コルク)」「ラベル(大型でCのロゴ)」のすべてにおいて統一を図ったカッティングエッジなものとなっています(同ボデガの他のワインも同じデザインで統一されている)。中身に関しても劇的な変貌を遂げており、葡萄のパワーと強い酒質からなる明確な個性が発揮されたスタイルで、14%という高アルコール、適度なスパイス、土着系の表情などが主体となりつつも、決して重くなりすぎないよう仕立てられた豊満で柔らかいボディ(ややメルロー的資質?)など、その内容は十分評価できるものとなっています。
資質そのものは「手頃な価格帯の現代ワインの今」をどストレートに享受できるマジョリティ感ある仕上がりではありますが、クオリティや仕上がり感は思いのほかしっかりしたものがあり、この価格帯の競合ワインと比較すると非常に良く頑張っているのは確かなので、万人受け&万能スタイルというわけにはいかない側面もありますが、飲み手の嗜好とシチュエーションにうまくハマれば非常に高い満足感が得られそうな印象です。
(2010/07)