- Very Good Quality -
従来は複数の1級畑の格落ちから造られていましたが、現在ではボーヌ・デュ・シャトー用の葡萄から造られているようです。ヴィンテージによって多少変化があるようですが、主にEcu、Cent Vignes、Genets、Bressandes、Bas Teurons、Reversees、Champimonts、Sizies、Toussaints、Aigrots、Belissands、Boucherottes、Pertuisots、Clos du Roi、Avauxといった複数の畑の性質を考慮してブレンドされるようです。
2005年というヴィンテージの恩恵が伺い知れる果実の充実感と豊満さが印象的で、ブシャールらしい安定感ある造りの中にしっかりとした主張が感じられます。カッチリした外郭に反して、内部はやや柔らかめではありますが、充実した果実要素ゆえの性質ともとれるので、それほど大きなマイナスポイントにはならないと思います。
抜栓日の「素直な美味しさ」から一転、翌日に持ち越すと厳格な表情と豊富なタンニンによる苦みが増幅し、やや向き合い難い表情へと変化します。しかし3日目になると、厳しいタンニンと熟した果実味が相まった良質な世界観が仄かにみられるようになり(一歩進んだような昇華感)、思いのほかしっかりとしたポテンシャルを有していることが具に伝わってきます。
今からでも十分楽しめ、なおかつその世界観の全容も概ね享受できますが、それでも成長のピークを迎えるのはまだまだ先といった印象なので、複数本ストックし数年単位でその変化と成長過程を楽しむ、という手法が有用かもしれません。
(2010/05)