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全体的にシャキっとしたシャープさがひとつの魅力となり、小粒ながらもしっかり凝縮した梅を感じる果実味とのマッチングや、バランス良く配置された酸など、そのスタイルから紡ぎ出される魅力を存分に享受するには適温を意識する必要があるかもしれません。あまり温度が上がりすぎると、帯の緩みや着付けの甘さ(ゆるりとしたボディライン)を感じることがあったので、目安として15度あたりを基準にサーヴを工夫すれば、より良い結果が得られると思います。
現時点ではまだ若さからくる軋みが僅かに見られ、酸にもリンゴ的な溌剌としたフレッシュさを感じますが、スタイルそのものがその方向性を活かした小気味良いものになっているので、実際には抜栓直後から素直に楽しむことが出来ます。多少固さが気になる場合は翌日に持ち越すだけでいいので、かなり有用性の高いワインだと言えそうです。
適度な美味しさと楽しさを兼ね備えた良質な表情が広がることもあり、内容そのものに関しては終始十分な満足感が得られますが、その立ち位置を考えると相対的にやや高価な印象を受けるので(同価格帯の他のワインと比較して)、理想を言えば3k円台で勝負して欲しいといったところかもしれません。
(2010/05)