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まず見た目からして「三角形ラベル」が印象的な「オー・ボン・クリマ」のワイン。この「ヒルデガード」は、コルトン・シャルルマーニュで有名なシャルルマーニュ大帝の妻の名を冠したもので、約1000年前、その当時のフランスで植えられていた葡萄品種を再現する形で造られています(2005年はピノ・グリ55%、ピノ・ブラン40%、アリゴテ5%)。
しっかりした酸、バランス良くスッキリと纏まった体躯、ピノによる魅力ある個性、コアを支える豊かなエネルギーなど、その魅力が存分に伝わる良質な内容で、飲んですぐに理解できる美味しさと、兼ね備えたポテンシャルの両方が素直に伝わってきます。決して重くならず(ボトルはDRC並みの超重量級ですが…)、適度なアルコール感(13.5%)とクリーンな質感によって、オー・ボン・クリマらしい魅力が遺憾なく発揮されていると言えます。
カレラのようなカリフォルニアらしい分かりやすい果実力で押してくるタイプがあまり嗜好に合わない人でも、このスタイルであればしっかりとした満足感が得られると思うので、よりブルゴーニュらしい流麗さやたおやかさを感じるカリフォルニアワインを求める人にとってはちょうど良い選択肢になりそうです。じっくり飲んでも必要以上に飲み疲れることがないので、現実的なスタンスで高く評価でき、個人的にもかなり好みのスタイルだと言えます。日常感覚で購入できる価格帯にはありませんが、それでもそれに見合うだけの世界観は十分披露してくれるので、普段とは違うちょっとした特別な場面を彩る、マンスリー的なポジションとして是非お薦めしたいところです。
(2010/04)