- Good Quality -
どのワインも総じて高いコストパフォーマンスを誇るコノスルですが(もはや驚異的)、カルメネール85%、シラー13%、カベルネ・ソーヴィニヨン2%で造られるこのロゼも、その価格帯からは想像し難いしっかりとした造りになっています。
透明ボトルを採用しているので抜栓前から視認できますが、パッと見たところメルローのロゼよりも色濃く感じるものの、実際には同等のクリアさや透明度感のまま色調がより深い赤にシフトしている印象だったりもします。
スッキリかつクッキリしたスタイルはそのままに、より充実した体躯と質実な重厚感があり、全体的に「ロゼと赤の中間」といった様相を呈しています。メルローのロゼほどの明確な甘さはないものの、それでも体躯を裏で支える果実感ある甘味が満遍なく広がるので、酒質の強さの割には甘味が伝わってくる傾向にあるかもしれません。
ワンランク上のポジションに位置する明確な存在力があり、メルローのロゼより1.5倍程度価格も高くなっていますが、もともとが低価格帯ということもあり実際の差額は僅か数百円程度なので、内容の充実感を考えるとこちらの方がお買い得度が高く感じるかもしれません。しかし、そのしっかりしたボディや14%という高めなアルコール度数など、ロゼといっても気軽に飲むにはやや不向きなスタイルになっているので、根本的にターゲットとする市場が異なっている印象を受けます(競合ではなくあくまでも共存)。いずれにせよ、漠然としたロゼに対するイメージを覆すだけのパワー感は伝わってくるので、ロゼが好きな人以外であっても十分お薦めできる内容になっていると言えます。
(2010/04)