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高品質なソアーヴェを生み出すことで有名な「ピエロパン」による土着系赤ワインがこの「ルベルパン」。セパージュはコルヴィーナ・ヴェロネーゼ60%、残りがロンディネッラ・コルヴィノーネとクロアティーナ・ヴェロネーゼ。植樹が2000年なので樹齢はまだ低いものの、その明確なスタイルは既に根底から確立されているように感じられます。
ソアーヴェにも通じる綺麗さ、クリーンな表層の質感があり、赤系果実のキュートな魅力と甘味が程よい心地良さを生み出していますが(いたって軽妙)、主体となる土着系由来の表情と酸のおかげで、現代における土着品種の表現美の一端を垣間みることが出来ます。口当たりは良いものの、抜栓日は酸がやや全面に出る傾向にあるので、その独自性あるスタイルも相まって多少癖が強いと感じるかもしれません(一瞬バルバカルロのワインが脳裏を過ったりも)。しかし、30分〜1時間程度で本質的な魅力が表出し始め、翌日にもなると現代基準の果実力とのバランスがうまくとれた、非常に優美な魅力となってしっかり開花してくれるので、ルベルパンの持つアイデンティティと指し示す可能性は十二分に伝わると思います。
決して万人受けするスタイルのワインではなく、あくまでもイタリアワインが好きな人、特に土着系品種の可能性に興味を持つ人に好まれそうなニッチな立ち位置ではありますが(なのでやや割高感あり)、分かりやすく高評価がつくような系統のワインではないだけに、より積極的にこういったワインの存在を受け止め、そしてしっかりと評価してあげたいところです。
(2010/03)