- Good Quality -
高い評価を得たことで、2006年の中では成功例とみられる「シャトー・モンローズ」のセカンドラベルがこの「ラ・ダム・ド・モンローズ」です(ファーストはパーカーが94+、ワイナートが92という評価)。
サン・テステフらしい固く締まった体躯が非常に印象的で、その豊富なタンニン量からしても基本スタンスは長熟系だと言えます。近年は早くから飲めるワインが増加し、このワインもセカンドラベルということもあるので今からでも飲めるのではないか、との思いで抜栓してみましたが、当初の印象は「やはりとりあえず2〜3年は様子をみたい」といったものでした。とはいえ、翌日以降に持ち越せばかなり解れた表情を見せてくれるので、基本的に数日かけて楽しむスタンスでいればその全容はしっかり堪能することが出来ます。
果実味に頼った分かりやすいワインとは対極にあるかのようなスタイルであり、まさに伝統産地ボルドーならではの品格や屈強さを存分に享受出来る1本となっています。確かに要素の充実度はそれほどでもなく、ヒンヤリとしたスラッと伸びる体躯に緻密で微細なタンニンと酸が込められたシンプルなものですが、味覚として感じられる内容以上の訴求力を持っているので、なぜか不思議と満足感や充足感に浸されます。とはいえ、ワインを飲みなれていない人にとっては「ただの渋いワイン」で終わってしまう可能性もあるので、どちらかというとトラディショナルなボルドーワインに対する理解を持った人にお薦めしたいところです(手の出しやすい価格帯のサン・テステフらしいワインを望む人にちょうど良いアイテムかも?)。
(2010/02)