- Very Good Quality -
リッチできめ細かいスタイルになると言われる「カスティリオーネ・ファッレット」で生まれるバローロです。マンドルロ葡萄園のネッビオーロが使用され、通常は「ヴィーニャ・マンドルロ」として出荷されますが、この2001年は1997年、2000年に続き、ヴィーニャ・ダルバ協会が毎年一番優れたバローロに与える「セレツィオーネ・カヴァリエーリ」に選出されているので、一部がオリジナルラベルとして出荷されています(ロットNoが4桁になったので従来よりもかなり多め!?)。
ヴィーニャ・マンドルロの冠に相応しい内容ではありますが、1997年、2000年ともまたひと味違う指向性を持ち(強いて言えば1997年の2日目に近いかも?)、クッキリした輪郭を持つ外観に強固かつ強靭なタンニンが込められてはいるものの、それでも十分対峙することが出来る距離感と親しみやすさが披露されます。軽い湿潤を纏う森林風景が目前にうっすらと漂いますが、まだ内部に足を踏み入れることは出来ず、どうしても一歩引いたところから俯瞰するにとどまり、まだ完全開花にはいたっていない印象もあるので、可能であれば余裕を持って3〜5年程度は様子をみてみたい気もします(むしろ将来が非常に楽しみ)。
それほど大柄というわけではなく、傑出するような偉大さや長大な余韻を持っているわけではありませんが、2001年という優れたヴィンテージの恩恵はしっかり感じられ、内包する多量のタンニンが欠点になることのない範囲に収まっていることや(出荷直後はかなり荒かったかも?)、その内部にしっかりした果実の力を蓄えていることもあってか、兼ね備えたポテンシャルは明確に感じることが出来ます。程よく情景が浮かぶまでの昇華レベルを内包しながら、クオリティだけでなく価格帯までも以前と変わらないレンジをキープしているのはある種の驚きと嬉しさがあり、この部分だけをとっても非常に高く評価することが出来ます。流通量が少ないという別の問題もありますが、もし機会があれば是非一度は試してもらいたいところです。
(2010/01)