- Good Quality -
セパージュはメルロー80%、カベルネ・フラン20%。多くの人が大きな不満を持つことなく、抜栓直後から素直に楽しめるようなスタイルになっています。現代的醸造技術を基盤とした洗練感があり、時間変化も含めた全体像を制御しているような設計思想が感じられるなど、ルイとフランソワによるミジャヴィル家(テルトル・ロートブッフのオーナー)の手腕がしっかり披露されていると言えそうです。ただし、酸が少し精製されたかのような質感となっており、どことなく人為的(人の手ありき)な印象を受けるので、分かりやすく楽しめるというメリットに対する負の要素もそれなりに内包していると言えます。
翌日以降に持ち越すと、このワインの持つ本質部分がより露になり、「カベルネで補完されたメルローらしい表情が一層楽しめるワイン」といった内容へと推移します。印象としてはデータよりももう少しメルローの比率が少ないようにも感じましたが、それでも概要はまさに「主としてのメルロー」+「補うカベルネ・フラン」というイメージ通りの世界が実直に表現されているので、このタイプの構成が好みの人であればど真ん中に来る1本と言えるかもしれません(これで千円台だと納得の内容かも? 逆に言うと今の値段はやや高い…)。
(2009/10)