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樽を使用しないオーストラリアのシャルドネとして有名な「ヴァージン・シャルドネ」です。
これまでのヴァージン・シャルドネと比較すると、全体的にややコンパクトに纏まっている印象を受けます。どちらかというとスッキリとした冷感系の表情が主体となり、明快な果実味ベースの陽的な表情は控えめな傾向にありますが、全体像として指し示す方向やそのバランス感については、それほど大きな差異はないと思います。
グレープ・フルーツやライムを感じる酸味が印象的ですが、明確な柑橘系というよりは、ややグリーン系を感じるハーブ系の印象が残ることもあり、どことなくジンに近い清涼感あるイメージ像となっています。翌日に持ち越すと徐々に表情が解れ、内面から桃を感じるトロピカル要素が仄かに表出してきますが、あくまでも隠し味といった範疇にあるので、わかりやすい「ニュー・ワールド的果実味」を好む人にとってはやや物足りない表情と言えるかもしれません(質感重視の場合は満足できそう)。
スタイルの変化具合からして、初飲みよりも毎年飲んでいる人の方がより楽しめそうな印象ですが、一定のペースで上昇する価格によって遂に2k円の大台を突破してしまったので、過去のコストパフォーマンスレベルを考慮するとやや躊躇してしまうかもしれません。しかし、レンジ下限の価格はそう大きく変わっていないので、変わらず手頃な価格で入手できるようであればまだまだお薦め可能です。
(2009/08)