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サン・テミリオンにあるフルール・カーディナルを過去所有していた「ステファン・アセオ」が、カリフォルニアのパソ・ロブレスでオーナー兼醸造責任者として勤めるワイナリー「ラヴァンチュール」。今回試飲した「オプティマス」は、ワイナリーを代表する銘柄「エステート・キュヴェ」のセカンドレンジに位置していますが、セパージュ比率などはほぼ同じ構成となっています。
ラヴァンチュールの魅力と言えばやはり「シラーとカベルネのハーモニー」。2005年のオプティマスはシラー51%、カベルネ・ソーヴィニヨン44%、プティ・ヴェルド5%となっており、シラーのスパイシーで魅惑的かつ凝縮した表情と、カベルネの持つ構造力がうまい具合に折衷した絶妙なバランス感が披露されます。
滑らかな質感や、精神的な余裕を感じるその佇まいが非常に心地よく、飲み手も素直に体位を預けることが出来ます。各要素が非常に豊かで緻密ですが、決して無理して背伸びすることなく、その舞台を支える裏方にまでしっかり行き届いた気配りなど、素直に「魅力的で良質なワイン」だということが伝わります。
自然に飲み手を招き入れてくれるということもあり、抜栓日から遺憾なく楽しめますが、その口当たりの良さや自然体な立ち振る舞いに反し、アルコール度数は15.32%とかなり高めなので短期間の飲み過ぎには注意が必要です。全体的に価格が多少高めな傾向にありますが、4〜5kレンジであれば十分すぎる程の満足感が得られるので、相対的にはかなり納得出来るコストパフォーマンスを発揮してくれると思います。
(2009/07)