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フリウリで造られるソーヴィニヨン100%のスペシャル・キュヴェがこの「ソーヴィニヨン・ド・ラ・トゥール」です。最上の区画に植えられた樹齢の高い葡萄を選んで造るということもあり、2006年は12,300本のみの生産となっています。
淡いグリーンがかった綺麗な色調で、非常に優れたボディの堅牢感を持つ、最上のソーヴィニヨンの美が堪能できます。抜栓直後はややぎこちなさもありますが、20〜30分程度で本来の姿が露になるので大きな問題はないと思います。ハーブやライムを基調とした仄かなメントール系の清涼感があり、強固なエネルギーを兼ね備えた体躯にライチやパイン系の豊かな甘味がバランスよく集約され、優雅で美しいその様を存分に享受することができます。15%とアルコールが非常に高くなっていますが、痺れるようなアフターはあるものの、高アルコール由来の飲みにくさや迫り来る圧力はなく、むしろ想像以上に心地よく飲めてしまうので(いたって綺麗に溶け込んでいる)、全体を通じてかなり優れた手綱捌きが披露されていると感じます。
素直なわかりやすさがあり、それでい完成感ある優れた世界と美を持つワインではありますが、万人に対して完璧に訴求するようなビジョンを持っているわけではなく、終始決して媚びることもないので、どちらかというと「フリウリという地におけるソーヴィニヨンの魅力と美しさ」を積極的に堪能したい人にお薦めしたいところです。
(2009/06)