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ビオディナミを語る上では欠かすことのできない巨匠、まさにビオディナミの伝道師とも呼べる「ニコラ・ジョリー」のワイン「レ・ヴュー・クロ」です。
想像以上に明確な魅力が全開で披露され、驚く程に抜栓直後から楽しめてしまいます。硬質感あるコアと凝縮感はそのままに、親近感ある表層の柔らかさのおかげで、「貴腐系の魅力を存分に堪能できる辛口ワイン」という言葉がピッタリ当てはまる世界観となっています。これまでに、ビオディナミ、ニコラ・ジョリー、ロワールといったあたりにあまり縁がなかった人であれば、是非偏見なしに一度試してもらいたいところです。
ブレのないしっかりしたポテンシャルを持つワインではありますが、それでも心持ち低めの温度を維持した方がより綺麗な魅力を引き出せそうな印象です。神経質な性格ではないので気軽に楽しめますが、すぐに魅力が伝わる反面、翌日に持ち越すと表層の柔らかさがコア部分を包み込んでしまい、やや儚げな表情を生み出すこともあったので(要は相対的なバランスの問題)、より上のクラスに位置するアイテムとは少しサーヴの方法を変えた方が無難かもしれません。
(2009/06)