- Good Quality -
セパージュは、プリエト・ピクード50%、テンプラニーリョ45%、メルロ-5%。新樽のフレンチオークバリックで4ヶ月熟成される、より手軽に飲めるスタイルのワインとなっています。
前回から1年以上間をおいての試飲となりますが、このスタイル特有の性質に即した変化が見られ、大方予想通りの内容へと推移していました。ギラついた彩度の高い風味はかなり熟れて落ち着き、現代的な醸造スタイルと酸やスパイスなどの土着系が見せる表情がほどよくマッチし、比較的落ち着いた様相を呈しています。とはいえ、肝心の中身がやや不足気味なこともあってか、醸造面(人の力)の方が若干先行する傾向にあり、本質的な魅力や充足感にやや欠ける印象を受けます(テロワールや収量といった問題なのかも?)。
数日経過しボトルの底の方にもなると、さすがに思った以上の力を発揮してくれるようになりますが、それでもここまでの経緯を考えると(前回の試飲も含め)、他のワインを差し置いてでも選択したくなる、というような魅力や世界観の構築にはいたっていないように感じます。この価格帯は非常に競合が激しいので、安易な「現代風仕上げ」にとどまらず、もう一歩独自の視点を持って進化を遂げて欲しいところです(とりあえず今後に期待)。
(2008/03、2009/05)