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土着品種「ネロ・ブオーノ」を100%使用したワインがこの「バッカロッサ」。225リットルのオークバリックで12ヶ月、瓶詰め後4ヶ月の熟成を経て出荷されます(刻印入りのオリジナルヘビーボトルを使用)。
「ミスター・メルロー」とも呼ばれるリッカルド・コタレッラが手がけることもあり、土着品種のワインといえども、総じて現代的な均整のとれた体躯が構築されています。まさに「その地の特性を持つ葡萄を現代的なスタンスでキッチリ表現したワイン」と言え、個性と魅力が放つ互いのバランス感は秀逸です。果実の表情はどこかリンゴンベリーのような雰囲気があり、自生するベリー系の表情を持ちつつも、万人に受け入れられるような明快な立ち位置をしっかりキープしているように感じます。
興味深いのがグラスによる変化で、ボルドー系の大振りなグラス(416/0)とキャンティ系の細身のグラス(416/15)で比較してみたのですが、どちらか一方がベストというものではなく、いずれのグラスであってもしっかり魅力を発揮してくれる傾向にあります。一般的なワインはそれに適した「スタンダードなグラス」が存在しますが、そういったピンポイントな性格ではないのが非常に興味深いところです。
一応傾向としては、大振りなグラスだとより豊満さや表情の明快さが(より一般向けな表情)、細身のグラスだと引き締まった体躯と酸の輝き(土着品種を理解している人向けの表情)が印象的となっています。強いて言えば両者の中間サイズのグラスがベストだと思いますが、いずれにせよ、グラスを選ぶような堅苦しさはないので、かなり魅力を引き出しやすい部類に入りそうです。
(2009/04)