- Good Quality -
ドメーヌ自体は1930年に創設。現オーナーは1997年に父から譲り受けた息子の「ブルーノ・ロレンゾン」。20年ものあいだ除草剤を一切使用せず、そしてリュット・レゾネで栽培される葡萄は、ブルーノの本職となる醸造過程で最高の状態に仕上げられます。
品良く仕上がったバランス感あるメルキュレではありますが、ヴィンテージの特徴か、それともまだ若いからか、表情が硬くギクシャクした傾向にあり、やや乾いた質感と素っ気ないフィニッシュなど、本質的な良さがうまだまく結実していない印象を受けます。
翌日に持ち越すことでかなりポジティブに変化し、仄かなたおやかさと少しの柑橘要素を持つ酸が基調となった、より落ち着いた姿と魅力を発するようになりますが、それでも誰しもが楽しめるような明快な美点に昇華するわけではないので、もしストックしているようであれば、暫くの間は存在を忘れてしっかり熟成させてみる方が良い結果が得られるかもしれません(現状でも飲むことは可能です)。
(2009/03)