- Good Quality -
思った以上に重厚感のあるオリジナルボトル(Le Filigareの文字とラベルにもある葉が刻印されている)が印象的なフィリガーレのキャンティ・クラッシコ。2004年のセパージュは、サンジョヴェーゼが90%、残りがカナイオーロとコロリーノになっています。
現状で5年経過していますが、思った以上に熟成が進んでいない印象があります。サンジョヴェーゼらしい酸を程よく活かしたキャラクターがベースとなり、加えて豊富なタンニンからくる収斂性や口中の乾きなどがアフターにみられることもあってか、気軽に立ち寄った程度ではあまり快く迎えてくれません。
表層の滑らかさと無骨なタンニンによる構成感が、フォントディのキャンティ・クラッシコ(2005年)と似た雰囲気を醸し出していますが、フィリガーレの方がよりキャンティ・クラッシコ然としたスタイルなので、現代的なスタイルよりも伝統的なスタイルを好む人の方が向いていると言えるかもしれません。
抜栓後3日程度経過する頃には、かなり心地よい姿を見せるまでに昇華してくれていましたが、抜栓直後からの変化度合いを考慮すると、とりあえず数年程度は寝かせておきたい印象を受けます。大きな成長がみられるかどうかは不透明ですが、とりあえずタンニンが熟れるまでは暫く様子をみた方が無難だと思います。
(2009/03)