- Good Quality -
このワインについては情報が少ないので、本当のところはよくわかりませんが、とりあえずは醸造家の「ルイージ・マルティーニ」によるバレルセレクションという扱いになっているようです。
優良ヴィンテージのリゼルヴァで約10年の熟成を経ていますが、実際の中身はかなり印象と異なるものになっています。表層は滑らかで、こぢんまりとした果実や酸が程よく纏まってはいますが、バローロらしい風格やボリュームを感じるようなスタイルではなく、特別な資質を感じるようなこともありません。さらに、表層の小気味よさとは反対に、強烈な乾きを伴うタンニンがひたすら軋み、フィニッシュにかけて口中を猛烈な枯渇感が襲うので、正直なところあまり飲みやすいタイプとは言えません。
この収斂性の強いタンニンのおかげで体躯が硬く、解れるのを待とうと思うとかなりの年数が必要だと感じます(抜栓3日後でも多少熟れる程度なので)。仮に長期熟成させたとしても、本質的な美点の開花や昇華が期待できるタイプではないので、ある意味「いつ飲んでもいい、いつまでも飲まなくてもそれはそれでいい」といったような古典的要素をベースに内包しているのかもしれません。
(2009/01)