- Good Quality -
このクラスのバローロとしては、ピーク領域一歩手前といった状態でしょうか。適度に熟れた風合いが感じられ、ちょうど熟成期間に見合った内容になっていると言えます(3~5日かけて飲むとちょうど良い)。
厚みに乏しく、クラス相応の低解像感ではありますが、要所はキッチリ押さえられ、小粒ながらも必要な要素は満遍なく盛り込まれている傾向にあります。ネッビオーロらしい堅牢なタンニンや、全体に行き渡りうっすらと覆い被さる酸、そして果実系と柑橘系が相まったような橙を感じる雰囲気に、優しくひっそりと中央に位置するキュートな果実味など(極仄かに霧の漂う森林っぽさも)、このバローロが持つ表情をそつなく伝えてくれます。
豊かな魅力を持った系統ではないこともあり、単体で飲むとややネガティブな側面に目がいきがちですが、基本として料理ありきのスタンスをしっかり堅持し、このワインの表情をうまく活かしてやれば、本来兼ね備えたポテンシャル以上の満足感は得られると思います。
(2009/01)