- Good Quality -
標高150m、火山灰土壌の畑で栽培されるアリアニコ・ディ・タウラージ100%のワインです。発酵は温度を管理したステンレスタンク、熟成は新樽のフレンチオークバリック(トロンセ、アリエ、ヴォージュ)で10〜12ヶ月間行われます。
約1年ぶりとなるサラエ・ドミニですが、前回の印象とはやや異なる世界観となっていました。全体としては前回と同じように「土着品種を現代的手法で奇麗に仕上げた」といった内容ではありますが、彩度が強く人為的な指向性のある香りが目立つ傾向にあり、アリアニコらしい密度感や充実度は感じるものの、どうも「舞台に配置したセット」とった印象で、本質的な骨格構築に至っていません(キュート系からボリューム系への推移はある程度みられる)。
現代的な造りが徹底されているので、土着系由来の野暮ったさはありませんが、反面、土着品種の持つ個性やエネルギーまでもが覆い隠されてしまっているので、結果的に現代的指向性が持つネガティブな一面が必要以上に強調されて伝わってきます。しかし、本来持っているであろう葡萄そのもののポテンシャルは十分感じられるので、醸造以降の段階でどのように導くかだけでも評価が一変しそうな雰囲気はあります。後は造り手の意思とマーケットが望むスタイルの間でうまくバランスさえとれれば、最終的には価格帯に見合った内容は提示してくれるのではないでしょうか(期待も込めて)。
(2008/01、2008/12)