- Good Quality -
ファースト・ヴィンテージは1995年。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーが各1/3ずつ。相変わらずセパージュの印象とは若干異なる表情ではありますが(ざっくり言うと主要素はカベルネ主体+シラー的)、逆に言うと「アルジャーノのワイン」としてのアイデンティティコントロールが成されているとも言えるので、この点が大きな問題なることはないと思います。
当初の印象は、やはり他のトスカーナの2003年と同じく陰な傾向にあり、低重心で階層が低い傾向にありますが、そのかわり敷地面積がやや広めで、タンニンの厚みから来る重量感などから、地に根を下ろしているかのような安定性があります。ただ、骨格から感じるエネルギーに反し、中央部分が柔らかく緩い傾向にあり、良くも悪くも「2003年らしい指向性」となっているのが、やや残念なところではあります。
抜栓日の印象からすると、あまり多くを期待できない印象が強かったのですが(それなりに良質だが評価が伸びない印象)、2日目に持ち越すと表情が一変。持っているもの自体は同じですが、ひとつの方向にカチッとハマることでソレンゴ(アルジャーノ)らしい明確な美点がキラリと光り、本質的な弱さを内包しつつもしっかり昇華してくれます。このあたりは「さすがソレンゴ」と言えますが、スタイルがかなり際立っていることもあるので、より良い結果を得る為にもマリアージュについてはしっかり考慮することをお勧めします(重量感ある洋食やジビエ系に向いてるかも?)。
ソレンゴを好む人にとってはそれなりに意味のある内容であり、内包する良質な部位を十分感じることは出来ますが、このヴィンテージ特有の性質や、とても手頃とは言えない価格帯を考慮すると、これが初飲みになるという場合は積極的に選択する意味があまりないかもしれません。少なくとも、ワイン誌による高評価から推測されるような偉大さは特に持ち合わせていないので、過度の期待だけは禁物だと言えます。
(2008/11)