- Good Quality -
前年の質実系とはまた趣を異にする表情で、やや外向的指向性のあるキュートな赤系果実の魅力が素直に感じられます。構成要素は非常にシンプルですが、持っているものを無駄なくしっかり駆使して仕上げている印象で、総じて無理なく楽しめる程よいスタンスとなっています。
翌日に持ち越すと、抜栓日とは打って変わって収斂性や陰な性質が目立つようになり、かなり向き合い難い内向的な表情へと推移しましたが、3日目になると何事もなかったかのようにもとに戻り、赤系果実と豊かな酸が生み出す良質な表情が広がっていました。
表情としては現時点で既に楽しめる状態になっていますが、飲める状態にあるという事実に反し、なぜか各要素が定位置に収まりきっていない傾向にあったので、万全を期すならば1ヶ月から数ヶ月程度は落ち着かせた方が無難かもしれません(単純に今回のボトル特有の問題かも?)。やや中央領域が弱い傾向にはあるものの、全体がうまく纏まった暁には、そつなく良質な表情を披露してくれそうな印象もあるので、最終的には前年以上の魅力を発揮してくれる可能性も十分あると思います。
(2008/10)